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オーストラリアの相続手続きについて

オーストラリアの相続手続は大きく分けて、Grant of Probate(遺言書の存在している場合)とLetter of Administration(相続書が存在していない場合)のいずれかの検認手続きを経て行われる形となります。 Grant of Probateでは遺言書で故人が指定したExecutor(遺言執行人)が遺言状に基づいて遺産を分配し、Letters of Administrationでは最近親の方がAdministrator(遺産管財人)として遺産分配を法律に従って行います。 

検認手続きの流れ

これらの検認手続きでは遺産が所在している地域の司法管轄権を有する高等裁判所に申請を行います。  そして、裁判所に拠って相続手続きにおける阻害事項がないこと、申立人が相続手続きを行う権限を有している旨の承認(Seal)が行われます。 クィーンズランド州高等裁判所に前述の申し立てを行う場合はUniform Civil Procedure Rules 1999 (民事訴訟法)が定める前提条件をクリアしている必要があります。  具体的には、1. 被相続人が亡くなられたことの告知、2.遺言状の存在、または、Intestate(故人が遺言状を残していなかった旨)の告知、3.申し立て人が検認手続きを裁判所に申し立てる旨の告知、そして、4. 申し立て人の選出について異議申し立てを受け付ける旨の告知、これらの内容を含む告知を州内全域に流通する新聞、並びに官報紙に掲載した上でPublic Trustee (公認受託者)に該当の記事を送付し、そこから最低14日間が経過した時点でクィーンズランド州高等裁判所に検認手続きの申し立てを行う形となります。  簡単にいえば、検認手続きをされた申請者の方が故人の方の相続手続きを行う権限を有していることを裁判所がお墨付きを与えるプロセスとなります。 裁判所が発行する証書(以下、サンプル画像参照)を元に不動産名義を変更したり、銀行口座の閉設や払い戻し、株式の名義変更などが行える形となります。 

遺産管財人の選任

通常、全ての申請書類が整うまでに3週間から6週間程度、裁判所に申請して承認されて証書が発行されるまでに4週間から7週間程度掛かりますから、最短で進んだと仮定しても検認手続きには2~3カ月程度の時間がかかります。  ただし、これはオーストラリアに住むオーストラリア人が亡くなった場合の話ですので、日本人の方が日本で亡くなられている場合でしたり、申立人の方が日本在住の場合などは必要とされる書類も異なります。  また、英語以外の書類はオーストラリア政府認定の公認翻訳を付けて提出しなければならず、進めてみないと見通しがつかない場合もあり、予想通りに話が進まない場合が多いものですから最低でも6~9か月程度の期間を見ていただく方が宜しいでしょう。  

なお、通常の相続手続きで必要となる実費で主なものは以下の通りです。
–     弁護士費用
–     Supreme Court Filing fee (高等裁判所費用)  
–     Courier Mailへの掲載費 
–     Queensland Law Reporter・官報紙への掲載費               
–     オーストラリア政府認定の公認翻訳               

 

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