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宣誓供述書(Affidavit・Statutory Declaration)について

宣誓供述書(Affidavit・Statutory Declaration)とは

宣誓供述書は日本にはないシステムですが、宣誓者本人が把握している情報を基に作成した供述書の内容が真実であることを宣誓した上で署名している書類のことをいいます。 宣誓供述書の作成時には、大使や裁判官・弁護士など特定の国家資格保有者による本人確認が行われ、その書面の記載内容が真実である旨の宣誓が宣誓者によって行われたことを確認する立会人としての署名が行われます。  

一般的に、「宣誓」といっても、日本人の方にはピンと来ないかもしれませんが、欧米のドラマや映画などで出てくる聖書の上に片手を置いて、神に誓って嘘偽りがないことを確認するプロセスを想像していただくと解りやすいと思います。  日本の裁判でも証人は陳述書を作成し、証人が証言する際には「良心に従って、真実を述べ、何事も隠さず、偽りを述べない」ことを誓いますが、Affidavitの場合は、作成の段階でこのプロセスを経ている必要があります。 

なお、参考までに宣誓時に用いられる一般的なフレーズは以下の通りです。
I SWEAR BY ALMIGHTY GOD THAT THE EVIDENCE I SHALL GIVE TO THE COURT IN THIS CASE (APPLICATION) SHALL BE THE TRUTH THE WHOLE TRUTH AND NOTHING BUT THE TRUTH, SO HELP ME GOD”  (意訳: “私が提出する証拠は、偽りのない真実であり、真実以外の何ものでもないことを神に誓います。”)

この宣誓は宗教が日常生活で大きなウエィトを占めていた時代の名残から、明確に神の存在を前提として、「神に誓って真実を述べることを約束する」という宗教的な契約の形となっていますが、それぐらい正式かつ厳かで重い取り決めだという前提で行われるものです。 当然ながら、Affidavit の不正には厳格なペナルティが定められており、虚偽の申告は刑事処罰の対象となります。

キリスト教の信者ではない方も聖書に手を置いて宣誓するのですか?

これは疑問に思われる方も多いかと思いますが、確かにキリスト教の信者ではない方でしたり、そもそも神を信じていない人が神に誓って真実であることを約束すると言っても、そこに合理性は感じられないでしょうし、また、そのような手続きを行うこと自体に意味を見出すことができないかもしれません。  その点は裁判所も理解しており、近年ではイスラム教の方はコーランに従ってアッラーに誓い、無宗教の方は神に誓うのではなく裁判所に誓うシステムになっています。

弁護士から宣誓供述書にサインするように言われましたがサインしても大丈夫ですか?

通常、契約や取り決めというものは、その書面にサイン(同意)することで発生する義務と責務を理解した上で行わなければならないものです。  特にAffidavitの場合は、あなたの主張を裁判所に提出することを前提に作成されるものとなりますので、提出する内容についてよく理解している必要があり、また、その書面に書かれている内容は真実でなければなりません。  ですから、宣誓供述書に書かれている内容について不安が残る状態でしたら、そのままサインすることは賢明ではありません。  

日本人の方からよくある質問として、「弁護士から宣誓供述書にサインするように言われました。 ただ、英語で書かれているので書類の内容をよく理解しているとは言い難く、大まかな概要について説明を受けたに過ぎないのですが大丈夫でしょうか?」という内容の問い合わせを頂くことがあります。 老婆心かもしれませんが、その供述書があなたの認識どおりの内容であるという保証はなく、もしかすると、ご自身が把握している事実関係とは異なる内容かもしれません。  ですから、受け取った宣誓供述書の内容を理解しているとは言い難いような場合、ご自身が受け取った書類を翻訳し、内容に間違いがあれば訂正を行ってから執行プロセスに移行された方が良いでしょう。  

AffidavitとStatutory Declaration は何が違うのですか?

AffidavitとStatutory Declarationのどちらも事実関係を確認する書面であり、国家資格保有者の立会いの下で執行する必要のある供述書という点では同じですが、Affidavitは裁判所に提出する際に用いられ、Statutory Declarationはそれ以外の手続きで用いられます。  平たく言えば、AffidavitとStatutory Declarationでは適用される法律が異なるため、Statutory Declarationの場合は適用されるルールや書式がそれほど厳格ではなく、Statutory Declarationにおける虚偽の申告は4年以下の刑事処罰を受けることになります。 なお、Statutory Declarationを執行する際の立会いが認められている国家資格者は法曹関係者に限定されず、最近の法改正(2018年9月18日施行)では執行に立ち会える資格職が更に6つ追加されました。 詳しくはオーストラリアのAttorney-Generalのページを参照されてください。 

Affidavit の作成は自分でも可能ですか? 日本の弁護士に作成を依頼できますか?

一般論として、Affidavitをご自身で作成することは可能ですが、前述したようにAffidavitは最終的には裁判所が定める要件と提出する際の法律や諸条件を満たしている必要があるため、ほぼ全てのケースで、提出国の弁護士によるアドバイスや確認が必要となるでしょう。  

また、日本の弁護士にドラフトの作成を依頼することは可能ですが、そのAffidavitの執行にあたっては、弁護士、Justice of the Peaceなど特定の国家資格者の面前で行う必要があり、その立ち会いを行った国家資格者が証人として署名を行わなければなりません。 オーストラリアの場合、これらの国家資格はオーストラリアのものである必要があり、残念ながら日本の弁護士がAffidavit の証人にはなることはできませんので、費用だけでなく時間と労力を考えると、最初からオーストラリアの弁護士に相談した方がいいでしょう。

 

本記事は2004年8月にオーストラリア最大邦字紙・日豪プレスの法律コラムに掲載したものを2019年6月26日に修正の上で再掲載しました。

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