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オーストラリアの刑事裁判と弁護士の選び方

オーストラリアの刑事裁判と弁護士の選び方

 オーストラリアで逮捕されたら(第1回)及びオーストラリアで刑事事件に巻き込まれたら(第1回)では逮捕されて起訴されるまでの流れについて説明しましたが、今回は起訴された後の流れについてみていきます。

起訴されたらどうなるのか

 日本では基本的に検察のみが被疑者を起訴する権限を有していますので、ちょっと小突いただけの暴行や低額の窃盗など比較的軽微な犯罪であっても原則として警察が覚知した全ての事件について警察から検察に送られ、検察が最終的に起訴するか否かの判断を下すことになります。  他方、オーストラリアでは日本と全く制度が異なり、軽微な犯罪については警察が起訴する権限を有しています。  オーストラリアの警察は逮捕から4時間以内に起訴するかどうかを判断しなければならず、殆どのケースでは4時間以内に起訴の判断が下されますが、この時間を過ぎたからといって起訴手続が無効になることはありません。  もし警察が起訴した場合、あなたは被告人となり、あなたに対する処罰の決定は裁判所で行われる事になります。  そして、刑事裁判では、裁判官によって有罪か無罪か、及び、有罪になった場合には懲役刑や禁固刑、罰金刑などの刑罰が決められて、判決が言い渡されます

 

 なお、警察があなたを起訴する場合、どの裁判所にいつ行かなければならないのかが書かれた “Court Attendance Notice” と呼ばれる書類が渡されます。  逮捕された後、警察署から帰る際にあなたの所持品の返却が行われ、また、警察から書類が手渡されることがありますので、これらの書類は大切に保管して無くさないようにしてください。

逮捕されてから裁判までどれくらい時間がかかる?

 日本では軽微な犯罪で逮捕されてもその後勾留されなかった場合は、起訴されて判決が出されるまでに数ヶ月以上の時間を有することも多いものですが、オーストラリアでは起訴されて判決が出されるまでの時間がとても短いのが一般的なので注意が必要です。  そして、軽微な事件でかつ被告人が罪を認めている事件については1回の裁判期日で他の案件と纏めて裁かれることになり、その場で即日判決が言い渡されるのが特徴です。 

弁護士に依頼した方がいいの?

 間違いなく弁護士に相談された方がいいです。  オーストラリアで刑事事件に巻き込まれたら以前のコラムでも解説した通り、あなたには弁護士に依頼する権利が保障されています。  オーストラリアでは、経済的に自費で弁護士費用を支払うことができない場合、Legal Aid(リーガルエイド)という国選弁護人をつけてもらうことができます。  

 ただ、気を付けて頂きたい点として、オーストラリアの国選弁護人は軽微な事件については事前に綿密な打ち合わせをした上で減刑の嘆願をしたり、被害者がいる事件について被害者と示談交渉をしたりという精力的な弁護活動をしてくれるわけではなく、裁判当日に被告人と会って短時間(数分~数十分)の打ち合わせをするだけで裁判に臨むことになります。  その点、自費で弁護士に依頼した場合、事前に弁護士と十分な打ち合わせをすることができ、弁護人は事件に至った経緯と犯行理由、被告人のキャラクター、今後社会に危害を及ぼす可能性や再犯の可能性がないこと等を汲み入れた弁護活動を行って減刑を求めることが可能になります。  この弁護活動によって量刑に差が出る可能性は大きく、できる限り量刑を軽くしたいという方は事前に弁護士に相談されることをおすすめします。

これって前科が付きますか?

 日本では有罪判決を受けると必ず前科がつくことになり、その人が生きている限り、一生前科の記録が保管され続けます。  前科は一般に公表されるわけではありませんが、何かあったときには捜査機関に参照されますし、次に何らかの罪を犯した場合には、前科照会されて、より重い罪が適用される可能性が高くなります。  これはオーストラリアでも同じですが、裁判官による有罪判決を記録する旨のConviction Recordedの判決が出ない限り “前科”としての記録は付きません。  そして、Conviction(有罪)の記録は10年が経過するとSpentといって、Conviction自体の記録は消えないものの、法律上、その記録があることによって生じる不利な影響は一切無くなり、申告義務もなくなります。  しかし、万が一会社員の方がConviction Recordedの判決を受けた場合、会社から懲戒解雇処分を受ける可能性もあり、Conviction Recorded判決となるかどうかはあなたの一生を左右しうる重大な岐路となりえます。 ですから、たとえ起訴されて有罪判決を受けることが確実に予想されるとしても、Conviction Recordedの判決を避けるために実力のある弁護人をつけて減刑の嘆願をする意味は大いにあるといえます。

 

まとめ

 これまでみてきたように、もし万が一オーストラリアで逮捕されてしまったら、異国の地で何が何だか分からないまま有罪判決を受ける前に、まずは弁護士に相談されてみることをおすすめします。

 刑事弁護は誰がやっても同じではなく、弁護士次第で結果が変わることも大いにあり得ます。  被疑者や被告人にとって、弁護士選びはまさに人生の明暗を分けるほど重要なことなのです。  刑事事件の弁護士費用は一般人にとって決して安い金額ではありませんが、刑事事件をどのように解決したかによって、量刑の軽重や前科がつくかどうかなどその後の社会生活にとても大きな影響を与えることになります。  そのため、弁護士費用が高いか安いかという金銭面を気にするよりも、刑事事件を得意としている、刑事事件の経験が豊富な弁護士を探すことを優先することをお勧めします。  緊急時には当オフィスにご連絡ください。 

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