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オーストラリアにおけるナンバープレート自動判別システムの運用について
Automatic Number Plate Recognition systems
ANPR(Automatic Number Plate Recognition systems: ナンバープレートの自動識別システム)は走行している車輛のナンバープレートを自動的に読み取り、データベースに登録されている情報と照会した上で、瞬時に問題のある車輛は管轄センターのデータベースに報告されるシステムでオーストラリアでは2005年にNSW州で初めて導入されました。 現在はオーストラリア全土において採用されており、近年は違反者の取り締まりにも大きな効果を上げています。 このANPRで取得した情報は渋滞情報や統計資料などに用いられる他、盗難車両、無車検で走行している車輛など違反を犯していると思しき車輛を様々な情報から自動的に識別してセンターに通知を行っています。 元来、ANPRは違反車両を効率よく取り締まることを目的に開発されてきましたが、近年では技術革新によって取り扱っている項目も増加しています。 オーストラリアでは数年前にRegistrationのシールを車のフロントガラスに貼る必要がなくなりましたが、これもANPRの技術革新に拠ってナンバープレートから登録車輛の確認が出来るようになったことによるものです。 現在、ANPRは盗難車両や犯罪に使われた車両の補足は勿論ですが、登録されていない車両などの補足など多岐に亘る項目が設定されており、近年では通知を受けたオペレーターが全て捌きれないほどANPRは膨大な量の情報を瞬時に処理していますので、オペレーターは受けた通知の中から優先順位をつけて対応しなければならないほどです。
何故、無免許(免停中)運転が簡単にバレるのか?
ここ数年はニュースや書籍などでもANPRが紹介されていますから、飲酒運転で捕まった方の中には「捕まった時に運転していた車以外ならANPRに登録されていないから大丈夫だろう」という認識のもと、免停中にも拘わらず、夫(妻)や両親など家族の車を乗り回しているような方がいますが、これは絶対にお勧めできないことです。 というのも、最近は飲酒運転で免許停止になった方が運転していた車輛(+違反者の名義車輛)だけでなく、その方の住所に登録されている車輛も全てANPRのデータベースに登録されるようになっているからです。 ですから飲酒運転の再犯者の方は 「たまたま運が悪く、また捕まった」 のではなく、司法や警察が「またやる可能性が高い」と思われる違反者をピンポイントで狙い撃ちできるようになっています。 これからの時代、「間違った事をすると必ず裁かれる」、そういう認識を持つことが大事です。