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オーストラリアの離婚~インターネット上の情報に惑わされないために~

オーストラリアで離婚するにあたって良くあるご相談

弁護士ドットコムの弁護士に相談したのですが、人に拠って回答が異なって困っています。

Q. 日本の弁護士さんにインターネットでオーストラリア人との国際離婚について相談をしてみたのですが、人に拠って回答が異なり、困っています。  どの方の回答が正しいのでしょうか? 
A. 日本の弁護士は日本法の専門家ですから、オーストラリアの法律は想定しておらず、日本で日本の法律に従って離婚手続をする場合でなければ、適切なアドバイスを行うことは難しいかもしれません。 その上で、国際離婚は個々の状況によって適用される国の法律が異なることもありますので、少し事情が異なるだけで全く異なる回答になりえます。 そのため、表面的な事情だけで判断することは難しく、弁護士としてもインターネット上での限られた情報をもとに回答するとなると、どうしても一般論に終始してしまいがちです。 これは法律問題すべてにいえることですが、特に国際離婚については、実際に弁護士にあなたの事情を細かく説明した上で、あなたの状況に応じたアドバイスをもらうことをおすすめします。

ネット上にも同じような悩みを持つ方のブログがありますので、先ずは以下を見ていただければと思います。

”ある先生は、準拠法により日本の法律が適用される、と言い、また別の先生は、オーストラリアの法律が適用されると言う。

更に、その先生は、オーストラリアで離婚すればその内容は日本に反映されるが、日本で離婚してもオーストラリアにはそれは反映されないという。それは、協議離婚はもちろん調停でも裁判でも同じらしい。
しかし、これまた別の先生は、日本で離婚した場合、一定条件を満たしていれば、それがオーストラリアでも認められると言う。”

参照: そうだ離婚しよう (参照URL : http://hannah-c.hatenablog.com/entry/2015/03/04/232925

私が本格的に離婚案件を取り扱うようになったのは2008年頃になりますが、当時のオーストラリアには国際離婚を取り扱うことが出来る日本人の弁護士がおらず、インターネット上には日本語でのオーストラリアでの国際離婚についての情報は全くなかったように記憶しています。  そこで、私のブログでオーストラリアの離婚について情報をアップロードしたところ、その内容を参考にしたとみられる書き込みが少しずつネットに流れるようになりました。  ただ、法律は変わるものですから、数年前の情報が現在は正しくなかったり、Q&A方式のアドバイスなどは明らかに誤りと思われる記述が見受けられるケースも少なくありません。  ましてや、人から聞いた経験談にはバイアスが入った解釈も多いものですから、インターネット上の情報は参考程度にとどめるのが賢明です。 

誰が正しい情報を提供しているのか?

Q. 結局、オーストラリアの国際離婚問題はどこに相談するのがベストなのでしょうか?  
A. オーストラリアの国際離婚問題については、国際離婚に詳しいオーストラリアの弁護士に相談するのがベストです。  

日本における日本人同士の離婚問題であれば、やはり日本の弁護士さんが手馴れていますし、同様にオーストラリアにおけるオーストラリア人同士の離婚問題であれば、オーストラリアの弁護士さんが手馴れています。 これは非常に簡単な話ですが、オーストラリアの離婚制度と日本の離婚制度は大きく異なるため、例え日本の弁護士からのアドバイスであっても、オーストラリアの家族法に精通している弁護士以外からのアドバイスは参考意見として留めておくのがいいでしょう。  同じように、オーストラリアで事務所を構えている日本人の弁護士だからといって、国際離婚を多く手がけたことのない弁護士に相談されるのは合理的とはいえません。   

インターネット上には様々な情報がありますが、離婚案件はケースバイケースでの対応が必要となるものですから、一般的な情報では太刀打ちができず、実務経験に基づく知識やノウハウに勝るものはありません。 ですから、日本人によるオーストラリアの国際離婚手続であれば、日本人とオーストラリア人による国際離婚を多く手掛けてきたオーストラリアの法律が分かる弁護士に相談されるのが最も合理的です。  

なお、昨今、日本人の方で訴訟問題に発展してしまったケースを少なからず見聞きしますが、そのようなケースに共通して言えるのは、無料相談などコンサルティングで聞いた一般論をご自身の都合の良いように解釈して進めてしまったというパターンが殆どです。  国際離婚に関するコンサルティングでは、適切なアドバイスを行うにあたり、4~6時間程の時間が掛かることは少なくありません。  また、離婚相談については、メールでの相談が後に大きな問題となる理由はこちらのページをご参照ください。

なお、離婚で大きな決断が必要となる場合、間違いが起きては取り返しがつきませんので、弁護士からのアドバイスは必ず書面でも貰うようにしましょう。  

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2018年3月27日追記: 
ここ最近の話ですが、 「インターネットで調べたり、何人もの経験者に相談して話を聞いたけど、言ってることが人によって違うので分からなくなってしまった。」という方から相談の依頼を受けました。  たとえ離婚経験者とはいえ事情が異なれば結論が異なり得ますし、インターネットの情報はガイドラインですから、インターネットで何時間費やしても、実際のところ、あまり得られるものはありません。  私のブログでも、私が保有している知識やノウハウの数%も書いてないというのが実際のところです。   中には自分に都合のいい情報だけを集めて勝手に進められてしまう方もいますが、これは紛争が起きると取り返しの付かないケースに発展していることも少なくないので、あまりお勧めできないところです。

離婚について悩まれている方は選択肢が解らない中で1人で悩むより、案ずるより産むが易し、思い切って専門家に相談されることをお勧めします。  
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次の記事では、”オーストラリアでの離婚弁護士選びについて” 解説します。

 

 

なお、離婚についてのコラムは全9回(現在、4回目のコラム表示中)の掲載となります。全リストは以下をご参照ください。 

1:オーストラリアにおける離婚事情と離婚手続
2:オーストラリアにおける離婚ー何を決めなければならないか
3:オーストラリアの養育費
4:オーストラリアの離婚~インターネット上の情報に惑わされないために~
5:オーストラリアにおける離婚弁護士の選び方
6:オーストラリアで離婚成立後行うべき3つの手続
7:オーストラリアの調停制度(メディエーション)
8:ハーグ条約 - 子供の連れ去りについて
特集記事:  離婚案件のエキスパート、神林弁護士に聞く!  (NEW!!)

オーストラリアの月刊誌・日豪プレス(2018年12月号)において、当オフィスの特集記事「離婚案件のエキスパート、神林弁護士に聞く!」が掲載されました。 (2018年11月27日追記)

 

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