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オーストラリアにおける離婚手続き – 何を決めなければならないか

オーストラリアの離婚の流れQ&A

離婚する時に何を決めたらいいのですか?

Q. オーストラリアで離婚する時に必要な手続きにはどのようなものがありますか?
A. 一般的には離婚を成立させるための申請手続きが必要となります。  その他に、婚姻財産やSpouse Maintenance、そして、養育費等の合意事項を取り決める必要があります。  子供の養育に関しての取り決めについてはParenting Planという計画案か裁判所の判決を取得して取り決める形のどちらかを選択する形が一般的です。  簡単にいうと、離婚時の手続きには “離婚” “財産分与” “養育” の3つカテゴリーが別々に存在しており、其々に取り決めが必要となります。  

オーストラリアの財産分与Q&A

財産分与は具体的に何が対象となりますか?

Q. オーストラリアの財産分与において、対象となる資産について教えて下さい。
A. 基本的にはご夫婦が保有されている資産全てが対象となります。  財産分与の幅に関してはご夫婦の状況(婚姻期間、資産・収入規模、親族による資金援助など)によって異なるものですから、ケース・バイ・ケースで判断する必要があります。  また、財産分与の取り決めを有効なものとするには、Family Law Act 1975(オーストラリアの家族法)の規定に基づいて、後述するQ&Aの方法で一定の手続きと手順に従った取り決めでなければなりませんので注意が必要です。    

どのように財産分与を取り決めたらいいですか? 

Q. 夫婦間で財産分与の内容が纏まりましたが、問題が起きないようにしたいです。 オーストラリアで財産分与をするにあたり、必要な手続きについて教えて下さい。
A. 通常、オーストラリアの家族法では以下の2通りの方法で財産分与を行なう形となります。

  1.  Financial agreement
  2.  Consent order

このFinancial agreement とは日本でいう離婚協議書に相当し、Consent ordersは裁判所の判決を指します。 オーストラリアの法律で、Family Law Act 1975(オーストラリアの家族法)の規定に基づいてFinancial agreementに法的効力を持たせるためには、夫婦の双方とも個別に弁護士からアドバイスを受け、自分の権利・義務を理解したうえで署名する事が義務付けられています。  

これはConsent orderを求める場合でも同様の考え方が適用され、双方ともに弁護士からアドバイスを受けた上で到達した合意内容を法廷で最終的に承認してもらわなければなりません。  すなわち裁判所の審理を経た上で、双方が到達した合意点が公平とされる場合においてのみ、法廷が承認するという事です。 

そして、このFinancial agreementではSuperannuationも財産として含むことができますし、結婚前から加入した年金も財産分与時に全て含まれた上で考慮されます。  ただし、年金を分与で受領しても、今すぐにそのお金を使える訳ではない事を認識しておく必要があります。

結婚する前に築いた財産は別ではないのですか?

Q. 結婚する前に築き上げた財産は財産分与の対象とならないと聞きましたが違うのですか?
A. 勘違いされている方が多いのですが、結婚前に築き上げた財産も財産分与の対象となります。 ですから、結婚前に築き上げた財産に大きな差があるような場合、離婚時に不合理な取り決めになる事がないよう婚姻前にPrenuptial Agreement(プリナップ)と呼ばれる婚前契約書を認める制度が設けられています。  

オーストラリアでは資産をお持ちの方、ご両親が資産家の方、再婚される方はPrenuptial Agreementを作成して有事に備えておくのが普通です。  そうすることで、もし離婚になった際に財産分与で揉める事もありませんし、時間や労力だけでなく、精神的な負担を払拭することが可能になります。  財産分与の裁判になる場合、多額の費用がかかりますし、解決に1年以上の時間を有する事は良くありますから、結婚される際に自分の方が資産を持っている場合にはPrenuptial Agreementを検討しておくと良いでしょう。

揉めた場合はどうしたらいいでしょう?

もし、仮に双方が合意点に達することができない場合には訴訟を始めることになります。 そして、訴訟が始まると、双方は自分のすべての経済的状況を申告しなければなりません。  そして、裁判所が財産分与を決定するにあたって、通常は以下の点を考慮します。

  1. 夫婦が所有する全ての財産 (婚前から別居後までの全ての財産)
  2. 各当事者がどれほど寄与したか (例: 経済的寄与、家事・育児などの非経済的寄与、ボーナス、相続、結婚した当時寄与した金額)
  3. 離婚後各自が必要とする財産 (年齢、健康、経済的能力、現在所有する財産、新しい配偶者の有無、養育などを総括的に考慮)
  4. 実際的の双方における公正な金額

実際には杓子定規な対応はされず、かなり複雑ですので、個々のケースで判断される形となります。

財産分与に向けて何をしておいたらいいでしょうか?

Q. とても億劫ですが、離婚後の事を考えると、なるべく多く財産分与が欲しいのですが何をしておいたらいいでしょうか?
A. “財産分割” というと、長らく同伴してきた夫婦が別れるという大きな決断を下し、それまで積み上げてきた財産を分け合うというイメージを持たれると思います。  とはいえ、実際問題として、殆どの方は夫婦生活を営んでいく上での財産分与について具体的に考えた事はないものです。  

私の経験上、婚姻関係の清算において圧倒的に強いのは “準備を行われている方” です。  

面倒な事は後回しになりがちなものですが、やはり着々と準備を進められてこられた方と、必要に迫られて対応される方とでは、結果が大きく異なってくるものです。  事前に周到な準備をされている場合には弁護士が介入しても何ともし難い場合がありますので、離婚を決断されましたら、1年間の別居前から段取りを進めておかれることをお勧めします。 

オーストラリアの親権Q&A

子供の件に関しては弁護士が必要と聞きました。

Q. 子供が居る場合の離婚には弁護士を必ず通さないといけないと聞いたのですが、、
A. オーストラリアの離婚手続きにおいて未成年の子供が居る場合の取り決めをConsent Orderとするには、夫婦其々が弁護士からアドバイスを受け、自分と子供の権利と責務を理解した上で書面で養育に関しての内容を取り決めた上で裁判所に承認してもらわなければなりません。  

平たく言えば、夫婦の関係は終わっても、父母として子供の生活を保障していかなければならないわけです。  子供に罪はなくとも離婚は親だけの都合で決まってしまう事柄ですから、時と場合によっては、親同士の「売り言葉に買い言葉」で子供の人生が左右されることも考えられます。  こうした  “限りなく無力に近い” 子供の代理人として、政府や裁判所が介入するのがオーストラリアにおける離婚手続きの特徴といえます。 

次の記事では、”オーストラリアの養育費に関して” を解説します。 

 

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