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オーストラリアの弁護士の給料について

オーストラリアの弁護士・神林佳吾の公式HPはこちら → https://kklaw.com.au/

1ヶ月に1、2件の割合ですが、オーストラリアの弁護士の給与や生活水準について検索して本ブログを訪れられる方がいます。  オーストラリアの法曹界に興味を持たれた方が調べられているのかもしれませんが、残念なことにインターネット上には該当する情報があまり無いようです。  そこで、私の経験則となりますが、オーストラリアの弁護士の給料の相場と傾向について解説したいと思いますので、キャリア形成や進路選択にあたって参考にしていただければと思います。  

まず、世間では高所得を得ていると思われている職種の弁護士ですが、100万ドル以上の年収を稼いでいる弁護士がいる一方で、新人や若手を中心に仕事がなく、弁護士として生計を立てられないといった話も聞きますので、年収については、それぞれの弁護士により大きく異なるというのが実情だと思います。  私の個人的な意見を一言でいえば、セレブな弁護士は一握り、お金に困らない程度の生活をされている方が大多数” だと思います。  

オーストラリアの弁護士って儲かるの?

公的機関に拠って統計が公表されているわけではないので正確な数値とはいえないかもしれませんが、年間に15万ドル以上の収入を得ている弁護士は全体の10~15%程度、10万ドル以上の収入を得ている弁護士でしたら全体の30~40%ぐらいなのではないでしょうか。  

訴訟に限らず、企業買収等で巨額の金額が動く案件に関わる弁護士の報酬は比例して大きくなるのは当然ですし、ある程度の規模の事務所のパートナー(経営者)であれば、自身で稼いだ弁護士報酬よりも法律事務所の利益分配が大きな収入を占める場合が多くなると思います。  ただ、実際に多額の収入を得ている弁護士は数の上では大手法律事務所を中心に極わずかであり、大多数の弁護士はそれなりに頭をなやませつつ、お金に困らない程度の生活をしているのが実態だと思います。  ただ、日本のように勤務時間は長くはないのが特徴で、労働法を遵守して(法律で認められている1週間の最大勤務時間は38.5時間)1日8時間以上働かない方も少なくありません。

※2017年11月3日追記。  indeed という人材会社のサイトにて ”オーストラリアの弁護士の給料について掲載されていました。 このサイトによると、オーストラリアの弁護士の給料水準の平均値は9万3266ドルとのことです。  (筆者註:この数値は転職者向けの求人情報から算出されているためか、新人や若手が入っていない数値のように思われます。)

弁護士業界の特徴:給与に開きがある理由

弁護士業界の特色として、経験年数の少ない新人弁護士よりもベテラン、その分野に明るくない弁護士よりも経験豊かな弁護士に依頼が偏ってしまう傾向があります。  これは依頼者に弁護士との付き合いが無い場合が多く、また、医療のように弁護士費用は保険が効くものではありませんから、どうしても依頼者は慎重に弁護士を選ぶ傾向にあることに起因しているのだと思います。  やはり高収入を得ているのはキャリアの長い方達が中心となるわけですが、ベテランは長年の弁護士としてのキャリアに基づく知識と経験だけでなく、人脈と既得権益の基盤を持っている場合が一般的です。  従って、ベテランは転職をすることもありませんし、定年もありませんから、なかなかリタイアせず、新人や若手にしてみれば、上が詰まっている状態とでもいうのでしょうか。 ベテランと新人の間には大きな実力の差※が顕在していること、そして、若手は他業種への転職も多いのがオーストラリアの弁護士業界の特徴といえると思います。    

※医師の場合、新人は最新医療の知識や技術を持っていたり、何よりも熱意でベテランの医師を凌ぐ成果を出すことはあります。 でも、これは知識と経験やノウハウが売り物となる弁護士業界には当てはまらないかもしれません。

弁護士のキャリアと収入の目安

ロースクールと司法修習期間を終え、弁護士に任官してから弁護士数20名程度の中規模法律事務所で5年ほど弁護士としてのキャリアを順調に積み、自分の判断で依頼を回す事ができるようになれば年収7~8.5万ドルが一般的な給与水準になると思います。  20代後半でこの水準の給与があれば、金銭面で十分に豊かな暮らしができますので、決して悪くない数字だと思います。  ただ、世間で思われているイメージとは異なり、資格職という事で胡坐をかくことは出来ませんから、日々、研鑽を積んでいく必要がありますし、それなりにストレスの多い仕事です。  

キャリア面の形成ですが、弁護士任官から長期間に亘って同じ法律事務所に残る方は決して多くありません。  転職の理由は収入や待遇面を含めたキャリア・アップの為であったり、違う分野へのチャレンジであったり、独立や引っ越しなど理由は様々ですが、事務所との契約が更新されないといったケースも少なからずあります。 そこが医師やパイロットなどの職種と大きく異なるところです。  とはいえ、私達の仕事は調査や書類作成が主となりますから、順調にキャリアを積み上げれば、本人の才覚次第で好きな時間に仕事が出来るようになるのが弁護士の特徴です。  

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