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オーストラリアの遺言書について

オーストラリアでは、家を買ったり、結婚や出産といった人生の節目の際に遺言書を作成しておく方は割と多いものですが、日本人の方の感覚では、大病にでも掛からない限り、遺言書を作成しておくことは余り一般的な事とはいえないかもしれません。  しかしながら、相続という問題は誰でもいつかは必ず経験することですから、遺言を早めに用意しておけば、必ず来る相続を積極的にコントロールできますし、また備えがあるので日々の生活を安心して送ることができます。 

もし、あなたが資産を残して亡くなった場合、オーストラリア国内の法律に従った遺言相続手続きが必要になります。 例えば、亡くなられた方の不動産名義を変更したり、故人の定期預金を解約したり、銀行口座を閉設する場合には、親族という事実関係だけで手続きを認めておらず、遺言書で指定されている遺言執行人[1]に一連の手続きを行うよう求られるのが一般的です。 ですから、『何かあった時に無いと家族が困る』のが遺言書なのです。  

[1] 遺言の内容を実現するために必要な手続きをする人のことを言います。  

オーストラリアの遺言書の作成

オーストラリアでは ”公正遺言証書” という概念がありませんので、遺言書の作成は弁護士に依頼するのが一般的です。  極まれに市販されているDIY(セルフキットの雛形)を購入してご自身で作成される方もいますが、これはあまりお勧めできません。  オーストラリアの相続手続では、故人が残した書面が“遺言書”と認められるにあたって厳格な書式とルールが適用されますので、1つでも要件を満たしていないと、その効力が無効になってしまう場合がありますので注意が必要です。  また、仮に書式と形式を満たしている書類を作成していたとしても、執行時の立会人が有効と認められなかったり、立会人の人数が足りなかっただけで遺言書としては認められない場合がありますので、オーストラリアの政府組織であるPublic Trusteeでは遺言状の作成は弁護士を通して作成するように呼びかけています。  

遺言状を作成する時の注意点

ごく稀に「オーストラリアで遺言書を作ったけど、自分の意思がキチンと反映されているか解らない」 という方にお会いする事がありますが、内容を理解しないまま署名した遺言書は無効となる場合があります。 これは遺言書の内容が本人の意思かどうか解らないからです。 残されたご家族の為にも、遺言書は日本語訳の作成も併せて行われるようにしてください。  

前述のケースと類似した話ですが 「遺言状にはXXXと書いてあると聞いたけど、何か有った時にそれを証明する手立てが無い」 という日本人のにお会いする事もあります。  英文で書かれた遺言書の内容を理解する事ができない日本人の方が遺言状を作成される場合は、ケースバイケースですが、少なくともAnnexureと呼ばれる付帯書類を作成しておくのがいいでしょう。  なお、このAnnexureでは少なくとも以下の内容に沿った文面を作成しておくのがお勧めです。

  1. 遺言状の翻訳文(日本語)
  2. 遺言状に記述されている内容を日本語で説明が行われた旨を確認する通訳者による宣誓供述書 

これらの書類があれば、遺言書に何が書いてあるのか安心してサインできますし、あなたが亡くなられた後、残された日本人のご家族も遺言書の内容を問題なく理解できます。  また、「内容を理解出来ていない状態で署名したので、その遺言書は無効だ」といった 【遺言書がある状態では最悪】 ともいえる遺族間の紛争を防ぐことにも繋がります。  

その他にも、幾つかお勧めしたい内容はありますが、個々のケースは弁護士に相談されてみるのが良いでしょう。  

次の記事では、゛オーストラリアの遺言書を執行する際に良くあるQ&A゛を解説します。

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