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レプリカ拳銃についての注意喚起

はじめに

オーストラリアではでは、模造品であるレプリカ拳銃についての取り扱いが州によって違うことから、想像していなかったような問題に発展することがあります。

日本では一般社会に拳銃が出回っていないことからレプリカ拳銃そのものが問題視されることは多くありませんが、オーストラリアでは対応を間違えると一大事になる可能性がありますので注意が必要です。

 

逮捕されて裁判になんてことも

最近、実際に裁判になったケースですが、ニューサウスウェールズ州在住のAさんがクィーンズランド州に滞在していた時に“Glock 18 Pistol Gel Blaster”という玩具を購入して帰途につきました。 これは電動でBB弾を打ち出す拳銃で、クィーンズランド州では主にサバイバルゲームなどに使われる用途で合法的に販売されています。 銃口にオレンジ色のキャップが付いているなどレプリカだと判別できるようになってはいますが、少し離れた距離からだと実銃のように見えます。   

ニューサウスウェールズ州に戻った後、Aさんは友達とサーフィンに出掛け、友達が戻ってくるまでの間、窓を開けた車内から海に向かってレプリカ拳銃の試し打ちをしていたところ、その様子を離れた場所から見ていた一般人が警察に通報し、銃の乱射事件として警察が動く事態へと発展しました。  ニューサウスウェールズ州ではレプリカ拳銃に制限が設けられており、実際はレプリカであっても、本物のように見える銃を振り回している現場に遭遇した警察官は発砲することが認められています。  この件ではボディアーマーを身に纏った警察官が現場に急行し、誰も傷つくことなく現場を制圧することに成功しましたが、あわや特殊部隊に出動要請が行われる寸前の逮捕劇でした。  

ただ、逮捕されたAさんからしてみると、クィーンズランド州で合法的に買ったレプリカ拳銃で遊んでいただけですから、釈然としないのは理解できます。  逮捕に納得できなかったAさんは警察官に抵抗したところ、 警察官は犯人に反省の色が観られないという事で保釈を認めず、翌日の裁判まで留置所で身柄を拘留されることになってしまいました。  

法の適用と厳しい判決

残念ながら、クィーンズランド州とューサウスウェールズ州の法律が違うことを知らなかったというのは理由にならず、Firearms Act の規定で銃の不法所持は14年以下の懲役刑が制定されています。  Aさんにとって不幸中の幸いだったのは、検察官がレプリカ拳銃の取り扱いについては州毎に法律が違うことに理解を示し、また、オーストラリア連邦政府がレプリカ拳銃の輸入を許可していることから厳刑を望まない旨の求刑を行ってくれたことでしょう。  

この件を担当した裁判官の見方とスタンスは少し異なり、現状の法律に不備があったことは考慮するものの、もし今回の件が通行量の多い街中や混み合ったビーチで行われ、このレプリカ拳銃が多くの人に不安と混乱をきたすことになったような場合には厳しい処罰を下さなければならないという点についてコメントを残されています。  最終的に出された判決は12か月間の社会奉仕活動を2回(計24カ月間)、高額の罰金、さらに、その方にとって一番厳しい処罰といえるのは銃刀法違反での前科がついてしまったということです。 これはすなわち、就職の際に今回の件を雇用主に伝える義務が発生するとともに、今後、海外旅行をする際にビザが発給されず、渡航できない可能性が出てくるということです。  

最後に

私達日本人からしてみると重すぎる判決であるように感じられるかもしれませんが、オーストラリアの裁判所は何より公共の安全と法の秩序を守らなければならないというスタンスを崩さない可能性があるという事を肝に銘じておく必要があるでしょう。 日本では精巧なモデルガンや電動ガンなど子供が喜びそうな玩具が沢山ありますが、オーストラリアでは大きな問題に発展する危険がありますので、決して安易な考えで持ち込んだり、子供にプレゼントしたりしないのが賢明です。

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